外国人のための日本語教室。
今回は、夏目漱石の「こころ」をゆっくり丁寧に読んでいきましょう!

ともよしです。


今日のレッスンは、一人称「私」について。
  • 私は男?女?
  • 「わたくし」と「わたし」の違い
についてお話していきます。



日本人のともよしがお教えします。難しい日本語をしっかりかみくだいて、ゆっくり丁寧に説明していきます。このレッスンを受ければ、あなたの語彙、漢字、文法は少しずつ磨かれていくでしょう!

「こころ」上、中、下の三部作。今回から下「先生と遺書」を始めたいと思います。
下 先生と遺書



「……私はこの夏あなたから二、三度手紙を受け取りました。東京で相当の地位を得たいから宜しく頼むと書いてあったのは、たしか二度目に手に入ったものと記憶しています。

つづく 

まずは「私は」からいきましょうか!「第一人称」のまとめ!
下 先生と遺書



「……私はこの夏 

ここで出てくる「私」。「わたくし」と読みます。「こころ」に出てくる「先生」は自分のことを「わたくし」と呼んでいます。
 
(自分の呼び方(わたし、ぼく、おれ、うち、英語でいえばIなど)は「一人称」といいます。「二人称」「三人称」については、別のレッスンでお話します。)


「私」は女の人が使うんじゃないの?

「私」と言えば女性であることが多いですが、男性でも「私」を使うことがあります。どういう男の人が「私」を使うかというと、
  • 仕事でつかう文章、大学のレポートなど、「」 
プライベートで使うなら、
  • 「大人っぽい」印象を与えたいとき
  • 自分が仕事で高い地位にあるとき(社長、国会議員などのおえらいさん)
  • ある程度年齢が高い
である場合が多いですね。学校の先生も「わたし」と呼ぶ人が少なからずいると思います。「こころ」の「先生」は、ある程度高い年齢であり、大人っぽいしっかりとした人なので、自分のことを「わたくし」と呼んでいます。
 
 
「わたし」と「わたくし」の違い

 「私」と書けば、今の日本では「わたし」と読むことが多いです。しかし、「わたくし」と読む場合もあります。この違いなどの特徴をまとめておきます。
  •  だいたいは「わたし」と読む
  • 「わたくし」は「わたし」と比べてより「かたい」「ていねいな」イメージ
  • ”「わたくし」が、くだけて「わたし」になった”ととらえるといいかな?
こんな感じ。

上に書いたことは、あくまでぼく(ともよし)が感じる、個人的な印象なので、人によって感じ方は様々。たくさんの日本人に教えてもらって、少しずつ、理解していくといいと思います。


つづく

次は「この夏」を勉強していきましょう!
次のレッスンで、今回のレッスンの確認テストをやりますよ!よく勉強しておいてください!